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歯抜けちまった悲しみに

すったもんだあって、本日、親知らずを抜いた。

最近の歯科医療、麻酔のレベルの高さか。ほぼ無痛で施術は終わった。そして、我ながら意外なことに、抜かれた歯を眺めていて湧いてきたのは安堵の念ではなく、自らの体の一部が永遠に失われてしまったのだ、という村上春樹風の喪失感であった。

生まれてこのかた結構優良児で通してきたこともあり(最後に歯医者にかかったのは28年前)、こういう大きな治療を受けるということに動揺しているという部分は少なからずあるのだろう。妻にはこの心に、というか歯茎に穴の開いた寂しさは理解してもらえず、今日の午後、私は孤独に過ごした。

さて、半分冗談、半分本気で言うが、こういう時にこそ、スペイン語、というか外国語は伸びる。私はこれまで、ややこしい歯周りの諸々をスペイン語でなんというのかなど、考えもしなかったわけだが、今はそれを知りたくてたまらない、そういう気分である。思えば、tobillera ‘足首サポーター’という単語を覚えたのも捻挫をしたときであった。

そんなわけで、以下に今回私の学んだ語をまとめておく。語彙とはこうして増えるのだな。

親知らず ‘muela del juicio’: 直訳で “判断力の歯”。大人になってから生えるのでこういうらしい。ちなみに英語では wisdom tooth だが似たような発想か。

永久歯 ‘diente permanente’

切り歯 ‘incisivo’

犬歯 ‘canino’: ラテン語で犬は cane でした。そのあたりの名残がみて取れる。

小臼歯 ‘premolar’: 奥歯が molar。その手前に生えてる小さい版の奥歯のこと。

詰め物 ‘obturación’

こんなところか……私の喪失から皆さんは学んでください。

歯への意識の高いぽみおは私の悲しみを理解してくれる。やさしい……

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