その 1 では直説法とは、「話している内容が事実であるとゴリ押しするモード」としました。このゴリ押しという、ニュアンスのせいで、直説法の活用形は、querer que のような願望を表す節の中や、ordenar que のような命令を表すフレーズの中では使えないのでした。 接続法の一面の本質として、そうした直説法が使用不可能な環境で、直説法の代わりに使うための活用形、という性質があります。今日は接続法そのものについて。
「接続」法
直説法の直説は「話している内容を事実であるとゴリ押しすること」と説明しましたが、それでは、接続法の接続とはどういう意味なのでしょう。これはある意味とても単純です。接続詞の後に出てくるから接続法、なのです。ただし、どんな接続詞でもいいわけではありません。より正確には、que や cuando, aunque のような従属節を作るタイプの接続詞だけです。接続法は基本的に、こういう接続詞の作る従属節の中でのみ使用可能です。ですので、接続法というよりは、節続法といった方が個人的にはいいのではないかと思っています。このネーミング、流行んないかな。我ながらすごくいいネーミングだと思うのですが。ともかく、従属節の中でのみ使える活用形なので、
Yo hable español.
みたいに、単文で唐突に接続法を使うのはやめましょう。こういう答案を見ると我々教員は腰抜かします。
接続法 = 非事実?
スペイン語学習における根強い信仰の一つに、「接続法は事実に反することを表す」というものがあります。確かに、「私が鳥だったら」のような反事実を表す用法はありますが、それだけではありません。「接続法=非事実」という風に理解すると、接続法の持つ、広い用法をカバーしきれなくなってしまうのでおススメしません。すぐに頭打ちになります。
確かに、
直説法は事実であることをゴリ押しするんだろ?じゃあ、その反対の接続法は非事実を表すに決まってるじゃないか。
という理屈もわからんではないです。ただ、これはちょっとおかしい。「事実であることをゴリ押しする」の反対は「非事実を表す」ではありません。「事実であることをゴリ押ししない、事実であるかどうかは問わない」です。つまり接続法とは、
です。千鳥風に言うと、直説法はゴリ押しをする分、意味的にクセが強いわけです。なので、願望とか命令のフレーズとセットで使いづらい。こっちもこっちで意味的なクセが強いわけですから。Quiero que hablo. みたいな文には、「トップスが柄物、ボトムスも柄」みたいなおかしさがあるわけです。だからアウツ。
そこで接続法です。こちらはゴリ押しをしない分、意味的にフラットというか、クセがないため、願望や命令といった癖の強いフレーズと併せて使える、というのが本質です。「柄物着るなら、ボトムスやその他はなるべくおとなしい感じのものを」というおしゃれの鉄則に通じるものがあります。接続法とは、そういう意味で、「おとなしい法」ともいえるでしょう。
まとめ
接続法 = 非事実 という理解は今日でコンマリしてくださいね。
次回は、この「おとなしい」接続法が典型的に使われるパターンを紹介します。
